Q.今、海外に行って大丈夫ですか?

語学や海外の文化が好きです。国際文化学部のグローバルスタディーズ学科では海外での留学やフィールドワークができると聞いて興味を持ちました。でもニュースでコロナのことやデモの映像を見ると怖いし不安で、とても旅行や留学に行くなんて想像できません。今、海外に行って大丈夫ですか?

A.確かに今は海外に行くことは難しいけれど…

状況によっては、コロナの影響や、治安の問題で安全第一で判断した結果、海外研修や留学に行けないかもしれません。でも、この学科で学ぶのは、行けるか行けないかに関わらず今の私たちの生活がいかに世界と繋がっているか、そしてその異なる文化や国籍の人とどうやって一緒により良い世界を作り上げていけるのか、そういうことを考える力やスキルを身につけることです。私たちをとりまく世界は日々変化しているし、それが日本に暮らす私たちの生活にも大きな影響を持っています。新型コロナウイルスが中国の一地方から世界に一瞬で広がってこれだけの犠牲者を出したのも、世界がいかに「繋がっている」か、ということの証明なのです。私は6月までフランスにいたので、「外野」どころか「観客席」モードだったヨーロッパが、数週間で一気にパニックに陥るのを目の当たりにしました。

コロナだけではありません。例えば私たちが吸っている空気も、使っている電気も、着ているものも、アマゾンの熱帯雨林やアフリカの石油や東南アジアの工場がなかったら在りえなかったもしれない。じゃあどうやってそれは作られどうやって自分の手元に届くのか。そういう風に考えることがグローバル関係を意識するきっかけとなります。 今、良くも悪しくもコロナの影響で、バーチャルな次元で国境を越えた繋がりが一気に円滑になってもいます。テクニカルな面では、世界の同世代の若者と画面ごしに話しあったり世界の未来について議論することは今すぐにでも可能なのです。でもあなたはそのスキルや、そもそも話しあえるだけの内容を持っているでしょうか?話す内容があれば、それを伝えるための語学やコミュニケーション力は、おのずとついてきます。まずは海外の人と話すために自分の「中身」を育てる努力をしてはじめて、海外へ飛び出す意味があると思うのです。国際文化学部グローバルスタディーズ学科では、世界に出たときに通用する、そういう「中身」のある人を育てることを目指しています。

もちろん、海外に行ってはじめて学べることもあります。実際現地の人と触れ合ったり、一緒に生活を共にすることがその人たちを、そして自分自身を理解するための一番の近道です。私を含め、新学部の先生たちはそれぞれアジアやアフリカの地域に暮らしたり、そこで人々と一緒に活動してきたので、それをよく知っています。安全さえ確保できれば、ぜひ短期、長期でも異文化にどっぷりつかって自分探しでもなんでもしてもらいたい。

国際文化学部グローバルスタディーズ学科では1年次に約2週間、アジア諸国への短期フィールドプログラムがあります。3年次には世界各地で約6か月間の長期フィールドワークを行います。どちらも全員必修のプログラムです。

もちろんコロナや紛争がない時でも馴染みのない地域へ行ったり、新しい環境に身を置いて生活をすることはある程度のリスクが伴い、そのためにフィールドワークへと向かう前に渡航状況や安全確認を含めた事前準備や調査をしっかりとやっていきます。

たとえば新しくスタートする学科では学生が地元の人たちとコミュニケーションを取れるように少人数クラスで身近な関心事をテーマに英語やその他の言語で意見交換を行う授業や、現場で使えるビジネス英語の授業など、さまざまな授業を用意しています。

そして、最初に言ったように新型コロナウイルスの影響に限らず、自然災害、政治状況、治安悪化などによって滞在先で安全が確保できないと判断した場合は、時期を調整したり、別の国や国内でのプログラムに変更したりして柔軟に対応することを検討しています。

現地に行ってからの安全確保はその地域や国によってだいぶ違いますが、しっかり事前準備して、頼れる現地の人につきそってもらえれば安全性は思ったより高いですよ。私は今まで15年あまりセネガルを中心にアフリカでフィールドをしていて、女の一人歩きもよくしましたが、驚くべきことに盗難にあったり、危ないと思ったりしたのはほとんどありません!それも現地の人も行かないようなエリアを深夜に通りかかってしまうというミスをしたときだけでした。そして、外国人用のホテルやセキュリティーが強いところほど危険が潜んでいることもあります。現地の人と同じようにする、というのが実は一番安全で、私はいつも現地の人と同じものを食べ、同じものを着て同じようなところに住みながら調査しています。

今は海外に行くことは難しい、と感じるかもしれません。なぜ「難しいのか」、なぜ「大丈夫じゃないのか」をしっかりと調べ、不安をひとつひとつ解決していくこと、世界の情勢や語学、海外の文化、日本との関わりなどをより深く学び、自分の中身をそだてること、こうした積み重ねを日々していきます。もちろん教員はその手伝いをするためにいますから、いつでも利用してください。実際いざ海外に出たときに、思った以上に落ち着いて行動できる自分に出会ってびっくりすると思いますよ。